そらんじ徒然草

大覚寺殿にて近習の人どもなぞなぞを作りて解かれけるところへ

一言でいうと
人を題にした意地悪ななぞなぞが見事に解かれ、当人だけが腹を立てた。
原文
大覚寺殿だいかくじどのにて、近習きんじゆの人ども、
なぞなぞを作りて解かれけるところへ、
医師忠守くすしただもり参りたりけるに、侍従大納言公明卿きんあきらのきやう
「わが朝の者とも見えぬ忠守かな」と、
なぞなぞにせられにけるを、「唐瓶子からへいじ」と解きて、
笑ひ合はれければ、腹立ちてまかり出でにけり。
現代語訳
大覚寺殿で、側近の人々がなぞなぞを作って解いていたところへ、医師の忠守が参上した。すると侍従大納言公明卿が、忠守を指して「わが国の者とも見えない忠守だな」と、なぞなぞになさった。それを人々が「唐瓶子(中国風の徳利)」と解いて笑い合ったので、忠守は腹を立てて退出してしまった。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)