為兼大納言入道召し捕られて
一言でいうと
資朝は、武士に囲まれて連行される姿さえ、後世に残る晴れ舞台としてうらやんだ。
原文
為兼大納言入道、召し捕られて、
武士どもうち囲みて、六波羅へ率て行きければ、
資朝卿、一条わたりにて、これを見て、
「あなうらやまし。世にあらん思ひ出で、かくこそあらまほしけれ」とぞ言はれける。
現代語訳
為兼大納言入道が逮捕され、武士たちに取り囲まれて六波羅探題へ連行されていった。資朝卿は一条あたりでこれを見て、「ああ、うらやましい。この世に生きた思い出として、私もあのようになりたいものだ」と言ったという。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)