太衝の太の字点打つ打たずといふこと陰陽のともがら相論のことありけり
一言でいうと
「太衝」の「太」に点を打つかという陰陽師の論争に、点を打った古い自筆資料があると盛親入道が述べた。
原文
太衝の太の字、点打つ、打たずといふこと、
陰陽のともがら、相論のことありけり。
盛親入道、申し侍りしは、
「吉平が自筆の占文の裏に書かれたる御記、
近衛関白殿にあり。点打ちたるを書きたり」と申しき。
現代語訳
陰陽道で九月を指す太衝の「太」の字に、点を打つか打たないかをめぐり、陰陽師たちの間で論争があった。盛親入道が申しましたことには、「安倍吉平が自筆で書いた占いの文書の裏に記された御記(貴人の日記)が、近衛関白殿のもとにある。そこには点を打った字で書かれている」ということだった。