なにがしとかやいひし世捨人の 一言でいうと世を捨て何の未練もない人でも、移りゆく空の景色だけは名残惜しい。 原文なにがしとかやいひし世捨人よすてびとの、 「この世のほだし持もたらぬ身に、 ただ空の名残なごりのみぞ惜しき」と言ひしこそ、 まことにさも思おぼえぬべけれ。 現代語訳何某とかいった世捨て人が、「この世に何のしがらみも持たない身だが、ただ、移りゆく空の景色に心が残ることだけは惜しい」と言ったのは、本当にきっとそのように感じられることだろう。 アプリで声に出す 全244段の目次底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)出典と照合について