そらんじ徒然草

狐は人に食ひつくものなり

一言でいうと
狐は本当に人へ襲いかかり、噛みつくことがある。
原文
きつねは人に食ひつくものなり。
堀川殿ほりかはどのにて、舎人とねりが寝たる足を狐に食はる。
仁和寺にんなじにて、夜、本寺の前を通る下法師しもほふしに、
狐三つ飛びかかりて、食ひつきければ、刀を抜きて、
これを防ぐ間、狐二疋を突く。
一つは突き殺しぬ。
二つは逃げぬ。
法師はあまた所食はれながら、ことゆゑなかりけり。
現代語訳
狐は人に噛みつくものである。堀川殿では、舎人が寝ている間に足を狐に噛まれた。仁和寺では夜、本寺の前を通っていた身分の低い法師に三匹の狐が飛びかかり、噛みついた。法師は刀を抜いて防ぎながら、二匹の狐を突いた。一匹は突き殺し、二匹は逃げた。法師は何か所も噛まれたが、別に大事には至らなかった。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)