そらんじ徒然草

陰陽師有宗入道鎌倉より上りて尋ね詣で来たりしが、

一言でいうと
土地を遊ばせず、食べ物や薬になる植物を植えるのがよい。
原文
陰陽師有宗入道おんやうじありむねにふだう鎌倉かまくらより上りて、
尋ね詣で来たりしが、まづさし入りて、
「この庭のいたづらに広きこと、あさましく、
あるべからぬことなり。道を知る者は、
植うることをつとむ。細道一つ残して、
みな畑に作りたまへ」と、
いさめはべりき。
まことに少しの地をもいたづらに置かんことは、
やくなきことなり。
食ふ物・薬種やくしゆなどを植え置くべし。
現代語訳
陰陽師の有宗入道が鎌倉から都へ上り、私を訪ねて来た。中へ入るなり、「この庭が役にも立たず広いままなのは、あきれるほどで、あってはならないことです。道理を知る者は、植物を植えることに努めます。細い道を一本だけ残し、すべて畑になさい」と忠告した。本当に、わずかな土地でも何もせず遊ばせておくのは、役に立たないことである。食べ物や薬になる植物などを植えておくのがよい。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)