諒闇の年ばかりあはれなることはあらじ
一言でいうと
天皇が親の喪に服す一年ほど、宮中全体が深い悲しみに包まれる時はない。
原文
諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ。
倚廬の御所のさまなど、板敷を下げ、葦の御簾をかけて、
布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、
皆人の装束・太刀・平緒まで、ことやうなるぞゆゆしき。
現代語訳
天皇が父母の喪に服す諒闇の一年ほど、しみじみと悲しさを感じる時はない。仮の喪屋である倚廬の御所は、床板を低くし、葦の御簾を掛け、粗末な麻布の幕を張り、調度品も簡素にしてある。人々の装束や太刀、太刀を帯びる平緒に至るまで、普段とはまるで違うのが、厳粛で畏れ多い。
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底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)