そらんじ徒然草

諒闇の年ばかりあはれなることはあらじ

一言でいうと
天皇が親の喪に服す一年ほど、宮中全体が深い悲しみに包まれる時はない。
原文
諒闇りゃうあんの年ばかり、あはれなることはあらじ。
倚廬いろの御所のさまなど、板敷を下げ、葦の御簾みすをかけて、
布の帽額もかうあらあらしく、御調度どもおろそかに、
皆人の装束さうぞく・太刀・平緒ひらをまで、ことやうなるぞゆゆしき。
現代語訳
天皇が父母の喪に服す諒闇の一年ほど、しみじみと悲しさを感じる時はない。仮の喪屋である倚廬の御所は、床板を低くし、葦の御簾を掛け、粗末な麻布の幕を張り、調度品も簡素にしてある。人々の装束や太刀、太刀を帯びる平緒に至るまで、普段とはまるで違うのが、厳粛で畏れ多い。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)