そらんじ徒然草

朝夕隔てなく慣れたる人の

一言でいうと
親しい相手への礼儀も、疎い相手への打ち解けた言葉も、人柄のよさを感じさせる。
原文
朝夕隔てなく慣れたる人の、ともある時、われに心おき、
ひきつくろへるさまに見ゆるこそ、
「今さらかくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほ、
「げにげにしく、よき人かな」とぞ思ゆる。
うとき人の、うちとけたることなど言ひたる、また、
よしと思ひつきぬべし。
現代語訳
朝夕いつも隔てなく親しくしている人が、何かの折にこちらに気を配り、身なりや態度をきちんと整えているように見えると、「今さらそんなによそよそしくすることはないのに」と言う人もいるだろう。だがやはり、「いかにも誠実で、立派な人だ」と思われる。反対に、あまり親しくない人が打ち解けた話などをしてくれるのも、また感じがよいと思うものだ。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)