そらんじ徒然草

延政門院いときなくおはしましける時院へ参る人に御ことづてとて

一言でいうと
幼い延政門院は、文字の形を並べた暗号の歌で「恋しく思っています」と伝えた。
原文
延政門院えんせいもんゐん、いときなくおはしましける時、
院へ参る人に、「御ことづて」とて、
申させたまひける御歌みうた
ふたつ文字牛のつの文字すぐな文字ゆがみ文字とぞ君はおぼゆる
「こいしく」思ひ参らせ給ふとなり。
現代語訳
延政門院がまだ幼くいらした時、上皇の御所へ参る人に「おことづてです」と言って託された歌がある。「二つの文字、牛の角のような文字、まっすぐな文字、曲がった文字、そのようにあなたのことを思っています」。文字の形を言い表して「こ・い・し・く」と読ませ、「恋しくお思い申し上げています」という意味である。
全244段の目次
底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)