後七日の阿闍梨武者を集むること
一言でいうと
年初の祈祷に武士を並べる物々しさは、行事の意味にも一年の兆しにもふさわしくない。
原文
後七日の阿闍梨、武者を集むること、いつとかや、
盗人にあひにけるより、宿直人とて、
かくことことしくなりにけり。
一年の相は、この修中のありさまにこそ見ゆなれば、
兵を用ゐんこと、穏かならぬことなり。
現代語訳
宮中で正月に行う後七日の御修法で、導師の阿闍梨が武士を集めるようになったのは、いつのことだったか、盗賊に襲われたのがきっかけだった。それ以来、宿直の警護役ということで、こんなに物々しくなったのである。一年の吉凶の兆しは、この修法の期間中の様子に現れるというのだから、武力を用いるのは穏やかでないことである。
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底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)