世のおぼえ花やかなるあたりに
一言でいうと
華やかな人の喜怒哀楽に、世捨て人まで顔を出す必要はない。
原文
世のおぼえ、花やかなるあたりに、歎きも喜びもありて、
人多く行きとぶらふ中に、聖法師の交りて、
言ひ入れたたずみたるこそ、さらずともと見ゆれ。
さるべきゆゑありとも、法師は人にうとくてありなん。
現代語訳
世間で評判の華やかな人の周辺に悲しいことや喜ばしいことがあり、多くの人が見舞いや祝いに出入りしているところへ、世を捨てた僧まで交じって、取り次ぎを頼みながら立っているのは、そこまでしなくてもよいのにと思われる。やむを得ない理由があったとしても、僧は人との交際を薄くしているのがよい。
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底本: 烏丸光広本『徒然草』校訂本文(やたがらすナビ・CC BY-SA 4.0)